なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

朱川湊人 都市伝説セピア 文藝春秋

都市伝説セピア

都市伝説セピア

もっとタイトルにひねりを!多分、ネットでの評判を聞かなければ手に取る気にもならないなぁ。装丁しかり。でも、作者の趣味なのかも?
表題通りに、都市伝説になったものをモチーフにした短編集なんだけど、その世界の広がりに飲み込まれる。グッと来たのが、「昨日公園」。子どもの時の体験がこういう展開を見せるのか。自分の体験を子どもも繰り返すのも、自分が真逆の立場になるのも。このエンディングには思わず涙をそそられますが、1番好きなのは、「死者恋」かな。萌えが過ぎると恐ろしいですよ。やっぱり、異界のものとか怨念とかじゃなくて、生身の人間が繰り広げる物語のほうが面白いなぁと。江戸川乱歩が好きそうな世界かな。