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観た

*【PLAY】阿修羅のごとく

10月8日 12:00開演 上演時間:2時間

兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール D列20番

 

脚本:向田邦子 演出:木野花

出演:小泉今日子小林聡美安藤玉恵夏帆岩井秀人山崎一

 

 

 

向田邦子の「阿修羅のごとく」の舞台化で、木野花演出で、小泉今日子小林聡美安藤玉恵が出演って、そりゃ観るしかないよね!しかも珍しく兵庫公演ですよ。

 

私が小泉今日子小林聡美出演の舞台を観るのは実に20年ぶり!「おかしな二人」以来である。なぜ、覚えているのか、その時購入したTシャツを最近まで愛用していたからだ。自分でも20年も着ていたなんて、びっくりである。よい部屋着だった。どうでもいいが。

 

あのNHKドラマの印象が強いけれど、それぞれの4姉妹だった。小林聡美演じる二女は、何というのか凄みがあった。一番阿修羅を抱えている感じ。いや、一番すごいのは、彼女たちの母親なんだろうが。ほぼ出てこないけれど、すさまじいぐらいの嫉妬を肉親に見せず、ただ、娘のていで思いを投稿するって、その感情の消化の仕様に凄みがありすぎるだろう。

向田邦子は、何気ない日常の会話や生活から浮き上がってくる人の感情を描くのが得意とする人だと思っているんだけど、小林聡美の芝居がまさにそんな感じ。そして、相変わらずコメディエンヌっぷりも健在。すごく人のことを見ている人なんだろうなぁーと思った。2時間の間に感情を揺さぶられるので、余韻が半端なかった。

 

このセットなら、同じ芸文の小ホールなんてうってつけかもと思うが、そこはやはりキャパの関係だろうなぁ。最初セットを見たときに、レスリングのリングかと思ったが、終演後に買ったパンフレットによると相撲の土俵をイメージしたものだそう。これを思いつくなんて凄いなぁ。これで、4姉妹のそれぞれの立ち位置や同じ時間に別の場所での出来事とかうまい具合に演出できているんですよ。でも、立ち位置によっては、顔の表情が見えなくて、でも背中で何となしに察せられるけれど、もどかしさもあったりして、憎いなぁと思った。もっと静かな会話の応酬になるのかと思ったけれど、結構動くので、運動量激しそう。常にフル回転な印象。

 

本当にリングサイド(升席といったらいいのか)の席が取れなかったのが残念。とはいえ、土俵に近い席だったので、目の前を綱子や巻子が通るたびにドキドキしながら観られてよかった。

 

休憩なしで2時間だったけれど、濃密な時間で舞台に引き込まれてしまう幸せな時間だった。終わった瞬間、もう一度観たくなった。再演してほしい。

そして、物販はパンフレットのみ。潔いなぁ。そして、文庫本サイズ!凝っている。読み易かった。もう、パンフレットのサイズはこれにしてほしい。ビジュアルメインだと紙質いいけど、重たいから嫌なんだよね(笑)